2012年5月15日火曜日

5月14日朝会校長講話

われ関せず



 今日は,私の小学校3年生の頃の話をします。
 クラスに,色白で無口な女の子がいました。あまりにも無口で静かな子だったので,男子の多くの子は,その子を嫌っていたようです。
 その子の名前を仮に,S子さんと呼ぶことにします。ある日,一人の男子が,S子さんの手が自分に触れたということで,
「わぁ,S子の手が,俺に付いた。」
とか言って,他の男子に自分の手をこすり付けているではありませんか。また,こすり付けられた男子は,また次の男子にこすり付けていくのです。大騒ぎしながら,とうとう,そのこすり付けが私のところまで来ました。
 私は,そういうのが嫌いだったので,こすり付けられても知らんぷりしていました。すると,
「あれ?クロさん,いいのか?」
(当時,私は,クラスのみんなから,そう呼ばれていました。)一言,私は,
「こういうの好きじゃないんだ。」
と答えました。それからは,
「わ~い。クロさん,S子のことが好きなんだ。」と,囃したてられました。私は,「ばからしい。」
と思い,気に止めないでいたら,しばらくして,自然と消えていきました。クラスのみんなも囃したてる男子の方がおかしいと思っていたのでしょう。
 そのこと以来,クラスでは,S子さんへの嫌がらせは無くなったように覚えています。
 嫌がらせや意地悪はよくない,そんなことはみんな思っているんですよね。自分よりけんかの強い子や大勢の子に対して注意する,そんな自信はありません。でも,自分だけは,嫌がらせや意地悪をすることは嫌なんだと,みんなに示すことが大切だと思って,ずっと今まで生きてきました。
 一人ひとりみんな大切な人です。お互いに気持ちよく暮らしていきたいですね。
 お話しを終わります。